代行試験について

1. コンクリート試験についてのお願い

生コンクリートの品質管理のための各種試験は、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の規定に基づいて、工場及び荷卸し地点で150m3について1回の割合で実施され、その試験成績をもって生産者は納入コンクリートの品質を保証することとされております。したがって、それ以外のコンクリート試験や試料の採取などはすべて施工者の方で実施しなければならないことは、すでに関係監督官庁などのご指導からもご高承のことと存じます。しかし現状では、JIS A 5308による生産者が行うよう規定されている試験以外のコンクリート検査のための試験を大幅に生産者が代行しており、それに要する人員や費用もかなり大きな負担となっております。特にポンプの筒先での試料の採取や試験については、安全上の問題もあり、今後はこれらの業務を工場側が行うことは一切ご辞退いたします。現在生産者が代行している業務には次のようなものがあります。

1.各種試験器具の打込み場所への搬入 (ポンプ筒先、シュート落し口等での試料採取及び試験)
2.不馴れな高所での試料採取と地上への運搬 (ポンプ筒先、シュート落し口等での試料採取及び試験)
3.打込み直前の試料によるスランプ、空気量試験 (ポンプ筒先、シュート落し口等での試料採取及び試験)
4.搬入数量が少量の場合の試験
5.構造体の強度推定のための供試体多本数採取と成型(7日、28日、型枠撤去用など)
6.採取供試体の工場への運搬、キャッピング及び型枠の掃除
7.現場水中養生のための供試体採取、キャッピングなどと再運搬又は、現場でのキャッピング及び養生
8.所定材齢供試体の試験場への運搬と申し込み手続き及び試験料の払込み(公的試験機関への依頼試験)
9.試験成績表の受理並びに得意先への転送 10.28日規定材齢以外の供試体の工場内試験
11.工事現場及び工場における写真撮影とその整理など

これら本来ならば購入者で実施して頂くべき諸試験について生コン業者に依頼要求されることが多く、各生コンクリート工場の1、2名の試験員が少くとも数回は現場に往復することとなり、更に現場の数が増えると工場の品質管理がおぼつかなくなってしまいます。私達生コンクリート生産者は、厳選された材料、整備された設備、熟練した技術員などによって細心の注意を払って製造し、厳重な検査、試験及び品質管理をJIS A 5308の規定に従って行い良品質の生コンクリートをお届けすることをお約束致します。何卒私共の意のあるところをご賢察下さいまして安定した良品質の生コンクリート納入のために格段のご理解とご協力を賜りますよう切にお願い致します。

2. 検査のための試験について

生コンクリートの日本工業規格レディーミクストコンクリートJIS A 5308の「適用範囲」には「この規格は以下の規定に従って製造され購入者に配達され、荷卸し地点までのレディーミクストコンクリートについて規定する」「フレッシュコンクリートについて規定する」とし、さらに「配達されてからあとの運搬、打込み、及び養生については規定しない」と定められております。これは納入後の待ち時間、運搬、打込み、施行方法、養生条件などによってコンクリートの品質が変化する恐れがあるので、生産者としての品質保証の限界、購入者との責任分界点を明確に示しているものであります。 生コンクリートの納入打込みを通じて行う検査のための試験は次の3つの場合があります。

1.生産者が出荷コンクリート品質管理のために行う試験
2.購入者が生コンクリートの受入時に行う検査のための試験
3.購入者が行う構造物のコンクリート強度推定試験及び施行管理試験

以上のうち2、3の検査のための試験は、日本建築学会標準仕様書(JASS-5)や土木学会標準示方書(RC示方書)などに定められているように、購入者が行うべきものですが、1の試験と混同されて生コン工場がその試験を行なっているのが現状であります。

3. コンクリート試験の代行について

前述のように納入後のコンクリート試験は購入者、施工者自身で行うように定められておりますが、やむを得ず試験を生コンクリート工場へご依頼になる場合は、試験員の作業予定及び品質管理の遂行に支障をきたさない範囲で有料にて代行致します。

1.試験代行の依頼につきましては、原則として契約時にお申し付け願います。やむを得ない場合は打設前日までにご連絡下さい。打設直前あるいは打設中のご依頼には、応じられない場合もありますのでご了承下さい。
2.コンクリートの試験は安全な場所で行わせていただきます。特に不馴れな高所での試料採取や地上への運搬などの業務は、安全上問題もありますので、固くお断り致します。
3.打込み時点(ポンプ筒先、シュート先、バケットなど)での試料採取及び試験はお断り致します。
4.現場養生の供試体の取扱、管理は購入者においてお願い致します。
5.代行試験の結果は「コンクリート試験成績報告書」にて報告致します。
6.原則として代行業務内容は技術的熟練度が要求される試験業務のみと致します。従って所定材齢供試体の試験場への運搬や試験成績表の受理などの業務は代行致しかねます。
7.「コンクリート試験代行報告書」の代行料金のお支払い無き場合は、以降の試験代行及び試験成績報告書の発行は致しません。
8.代行業務および代行手数料金は下リンク先の表を参照

4. 代行試験手数料(参考:山梨協組生コンクリート価格表P4・10その他 代行試験料

●その他の代行試験についても実費負担を申し受けます。
●工事現場での供試体のキャッピング及び写真撮影はご遠慮致します。
●試験器具、用具等の貸出しは各工場へご相談下さい。

5. 代行試験手数料の実施期日について

平成15年1月1日以後のすべての代行試験についてお願い致します。
代行試験については、あくまで実費のご負担をいただくのであって、商売として致す訳ではありませんので、よろしくご理解下さいますようお願い申し上げます。

6. コンクリート工事における品質管理と責任区分

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